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読書のすゝめ
目次
- ○ 活字中毒
- ○ 子供たちは映像世代
- ○ 映像世代が苦労する字を読む、字を書くという行動
- ○ 映像世代は映像時代にどうすればよいのか
- ○ 書くことを好きになる
- ○ まとめ
活字中毒
みなさん、読書は好きですか? 私は、好きです。子供の頃から活字を追って生きてきました。私は自分を活字中毒だと思っています。気が付けば牛丼屋さんでカレギュウを食べながら、ドレッシングの後ろの原材料などを目で追っています。
子供たちは映像世代
今の子供たちは「映像世代」だと思います。身の回りにはスマートフォン、タブレットがあふれ、毎日YouTubeやTikTok、Instagramを見て生活しています。わかりやすい例で言えば私はファミコン世代ですが、ゲームの攻略に困ったら、攻略本を買って読んでいました。ゲームの画面の写真は部分的に張り付けてありますが、流れは文字で説明してありました。「●●の町で××の武器を手に入れ、▽▽のキャラクターに話しかけることでイベントが開始される。」といった具合です。攻略本の中には表現がわかりにくいものもあり、試行錯誤したり、友人に聞いたりした覚えがあります。しかし、今の子供たちには便利なゲーム実況があります。YouTuberのみなさんが、自身のゲームをした動画にコメントを流しながらアップロードしているため、文字を読むことなくどのようにクリアすればよいかがわかってしまうのです。便利ですが、試行錯誤してやっとできた!という達成感はあまり味わうことができないように感じますし、攻略本の文章を読んで内容を理解するという過程も省略できてしまいます。また、ゲームだけではありません。料理を作る際も、レシピ本を買うことなくレシピ動画を見ることで済んでしまうようになってきました。つまり、文字を読むことなく目的が達成される時代になってきたのです。
映像世代が苦労する字を読む、字を書くという行動
日常生活で字を読む必要性が低下していますから、当然学習にも影響が出ています。指導実感として以前よりも文章を読んだり書いたりすることが苦手な生徒さんが増えていると感じます。漢字を書けない生徒さんも増えたように感じます。これは携帯電話で入力することで予測変換される機能を日常的に使っていればそうなると思います。私自身もスマートフォンやパソコンのおかげでいざ文字をペンで書こうとすると、すぐに漢字の細部が思い出せないことがあります。中学3年生の入試直前期の模擬演習を行うと、文章を書くことが苦手な生徒さんが多いことがよくわかります。国語の200字程度の作文を、テーマになる内容を扱った文章を読んだうえで作ってもらうのですが、よくある問題点が以下の通りです。
① 主語と述語がかみ合っていない。
例「私は今までサッカー部の部活動を頑張ってきたため、一生懸命に目標に向けて努力することです。」
主語の「私は」に対して述語が「努力することです」となっており対応していません。みなさんは信じがたいかもしれませんが結構多い問題点です。
② 同じ内容を繰り返している
文字数をかせぐためか、同じと思われる内容を繰り返しているケースも多く見られます。
③ ①と同時に見られることですが、一つの文章が長すぎて読みづらい
一つの段落を一つの文章だけで構成しているケースも良く見られます。また、文章が長くなるほど主語と述語の対応がとりにくくなり、おかしい文章になりがちです。
一方で文章を読む際にも語彙力の不足がみられる生徒さんが増えています。例えば「具体的」とは何かをきちんと説明できるでしょうか。辞書によると具体的な/具体的に→「実際的で、こまかいところまで取り上げる様子だ」と書いてあります。この説明でもわからないと言われることがあります。そういった場合、私は生徒さんに「今、何食べたい?」とたずねています。「わからない。」とか「何でもいい。」と言われることもありますが、「ラーメン」と言われた場合「どこのお店の何ていうラーメンが食べたいの?」と尋ねます。「ラーメン横綱の豚バララーメン」と言われれば、「それが具体的に答えるってことだよ。」とお話しています。辞書の説明では理解できないことが実感として増えてきています。
映像世代は映像時代にどうすればよいのか
単純ですが、文字を読む機会をまず増やすことが大切です。小学生新聞や中高生新聞を読むこともお勧めですし、好きな作家さんの本を全て読破することも良いでしょう。私がここで声を大にして言いたいのは小中高生が手に取れる範囲に説明文(論説文)がなかなか無いということです。小学生向けの文庫に「青い鳥文庫」があります。私も大変お世話になりました。青い鳥文庫にも説明文がラインナップされています。しかし、書店でそういった青い鳥文庫の説明文の本を見かけることがほぼなくなりました。物語文ばかりなのです。小学校の教室まわりにおいてある本も物語文か図鑑ばかりでした。
つまり、小中高生のみなさんは意識的に説明文に触れる機会を自ら作らなければならない状況にあるのです。説明文的な文章を読む訓練は新書を読むことで行うことができます。特に岩波ジュニア新書とちくまプリマー新書がお勧めです。図書館でも書店でもかまいません。まずは本棚の前に立ちましょう。そして、気になるタイトルの本を手に取ってください。そして数ページ読むのです。抵抗なく読めたらその本を借りるなり、買うなりしてみましょう。一冊読めたら、また次へと進みましょう。学校で習う勉強以外の知識も増やすことができますし、説明文を読む練習もできます。さらに、自分の進路を考えるヒントになるかもしれません。
もし、可能であれば本を読む時間と場所も見つけてみましょう。お洒落なカフェや喫茶店で読むのもよいでしょうし、公園のベンチもいいでしょうね。お出かけのお供にするもの良いと思います。家で読むなら、家族全員で読書の時間を作ることもお勧めです。
まずは文章を読むことになれ、読むスピードもつけましょう。読むことができていれば、書くこともできるようになります。人間は今まで読んだ文章から無意識のうちにコピーして話したり書いたりしています。ですから、脳にたくさんの文章を入れることで語彙も作文のレパートリーも増やすことができます。
書くことを好きになる
書くことを好きになってもらいたいとも思います。書きたくなるようなしかけが必要です。その為にはお気に入りの手帳やノートとペンがあるとよいでしょう。持つだけで何か書きたくなるペン、見ていると埋めたくなる手帳やノート。そういったものがあることで自然と日記のようにその日起きたことをメモしたり、走り書きをしたりすることができるようになるでしょう。もちろん日記を毎日付けられればそれに越したことはありませんが、きっちりとした日記が三日坊主で終わってしまうよりは、断続的にでも続けていけるようなしかけの方がより重要でしょう。
まとめ
私たちが生きていくうえで、動画の説明がついていることの方が少ないのが現状です。文字を読み、文字を書くことからは解放されることはまだまだ先のことでしょう。ですから私たちは日頃から意識的に文章を読み、書く努力を怠ってはならないのです。
慶伸塾では、国語の受講もお勧めしています。国語の内容は学校の教科書に準拠した問題集で定期試験対策をすることもできますし、初めて読む文章で文章形式別の読解演習を扱うこともできます。国語は学年が若いほど効果があります。小学生のうち、または中学1・2年生のうちに読解力をつけることは他の教科にも良い影響があります。予備校で高校生や浪人生を指導される講師の先生も、「現代文ができないとそれ以上他の科目の力も伸びない」と仰っています。
また、読売中高生新聞(週刊)を購読しているため、教室で毎週読むこともできます。時事問題対策にもなりますし、新聞の中にも毎週本を紹介するコーナーがあります。文字ばかりの本が苦手であれば日本史の漫画のシリーズからでもご案内できます。
まずは本を手に取ってみてください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。学習相談・体験授業は随時受け付けております。0297-84-1570までお問い合わせください。
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